酸素の値を測定する器械(パルスオキシメータ)のおはなし -測定がうまくできないときの原因と対処法-
新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、患者さんの中でも酸素の値を測定する器械をお持ちの方が増えてきました。その正式な名称を「パルスオキシメータ」、測定される値を経皮的動脈血酸素飽和度(SpO₂)と、言います。パルスオキシメータを使っていて、以下に示すような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
①どのようにSpO₂を測定しているの?
②測定がうまくできないのはどうして?
③測定された値は高い方がいいの?・値が高いのに苦しいのはどうして? など
そこで、3回に分けてパルスオキシメータに関する情報をお伝えします
今回は、「②測定がうまくできないときの原因と対処法」について簡単にお伝えします。
※これらの方法を行えば、必ず測定ができるようになるというわけではありません。
測定がうまくできない原因
以下の5つが考えられています。それぞれの対処法も合わせてお示しします。
- 体が動いて振動が入る
- 指の冷たさや循環不良
- 光の干渉
- 圧迫の強さ
- マニキュア
原因とその対処法
- 体が動いて振動が入る
- 指の冷たさや循環不良
- 光の干渉
- 圧迫の強さ
- マニキュア
対処法
・動きの少ない部位に装着する
対処法
・測定する部分を暖める
・血流の良い部位に付け替える
対処法
・測定する部位に光が当たることを避ける(日陰や屋内で測定する)
対処法
・測定する部位を過度に圧迫しない
対処法
・除光液でマニキュアを取り除く
測定がうまく出来なかった方は、1から5の方法を試してみて下さい。
繰り返しになりますが、これらの方法を行えば必ず測定できるというわけではありません。また、不安定な測定値(例:70からいきなり90になったなど)は信頼性が乏しいため注意が必要です。
肺の病気をお持ちの方で、酸素不足の不安がある場合は主治医に相談してみて下さい。
次回は、患者さんからのよくある質問について(測定された値は高い方がいいの?・値が高いのにどうして苦しいの?など)お伝えします。次回のブログ記事の更新をお待ちください。
参考資料
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 酸素療法マニュアル作成委員会,日本呼吸器学会 肺生理専門委員会(編):酸素療法マニュアル(酸素療法ガイドライン 改訂版),2017.