【健向ゼミ】 「実は、家にいても怖い!過敏性肺炎」を開催しました!
2018年8月28日(火)午後2時より複十字病院慢性呼吸器疾患認定看護師山中を講師にテーマ【実は、家にいても怖い!過敏性肺炎について】複十字病院健向ゼミを開催しました。(清瀬市けやきホール1階セミナーハウス:東京都清瀬市元町1-6-6)
ゼミ内容を少しご紹介します!
過敏性肺炎とは?
肺にある小さな空気の袋(肺胞)や最も細い気道(細気管支)の内部や周囲に発生する炎症で、細菌やウィルスなどの病原体が原因でなく、有機物の粉塵や化学物質(これらを抗原と呼びます)を繰り返し吸い込んだことによるアレルギー反応が原因となります。息切れ、せき、発熱といった症状が見られ、抗原を避けることにより、改善しますが、長期間抗原に曝露されていると炎症が慢性化し、肺がどんどん固くなる病気です。
今回は、この過敏性肺炎についてどのような種類があり、原因にはどのようなものがあるのか?何に注意をすればよいのか?どのような方がかかるのか?検査や治療法などについて、お話し致しました。
例えば・・・
夏型過敏性肺炎
カビを目にする機会がありますが、洗濯機やエアコンなどの隠れたところでもカビは生育しています。カビは医薬品や食品に利用される反面、アレルギーや中毒、水虫などの病気の原因になることもあります。今回はその中でも、見過ごされやすい病気として夏型過敏性肺炎についてお話し致しました。
夏型過敏性肺炎とは、ほこりや鳥の糞、カビや細菌を反復して吸い込むことにより、その物質に対してアレルギー反応を起こし、その結果肺炎を起こすという過敏性肺炎の中のひとつで、夏に発症し、秋には症状が消え、数年にわたって同じ季節になると繰り返す傾向があります。
原因
夏型過敏性肺炎はトリコスポロンというカビを、知らず知らずのうちに吸い込むことによって起こる私たちにとって非常に身近な病気です。エアコンが原因となる事が多いため、5月から10月の間だけ症状が現れることが多いです。トリコスポロンは他にも台所や浴室にも多く繁殖しています。
症状
多くの場合は抗原となるカビを吸い込んでから4~6時間後に、咳や痰・発熱などの軽い風邪のような症状で始まる事が多いです。しかし、風邪だと思って放っておくとどんどん症状が重くなり、次第に息切れなどの呼吸困難を伴う肺炎の症状が現れるようになります。症状は8~12時間持続しますが、その環境のままだと症状はそれ以降も続き、その環境から離れると数日から10日で治ってしまいます。
環境の改善をせずこの状態を何年も繰り返すと、肺が繊維化しぶ厚くなって肺繊維症という慢性的な病気につながる場合もあります。
検査
白血球やCRP等の炎症反応をみる血液検査や、肺活量などの肺機能検査、胸部レントゲンを撮影し診断します。また、いったん入院し症状が消失したところで、帰宅させて症状の有無を確認することがあります。
治療
最も大切なのは原因となる抗原を取り除くということです。特別の治療がなくとも、入院して抗原から遠ざける事により症状の改善をみることも多いです。薬物療法としてはステロイドが中心で、症状に合わせて対症療法を行います。
予防
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- カビの繁殖しやすい条件を作らないことが大切です。
=カビの生育する条件=
栄養 糖類を好むが、それ以外のものも条件がそろえば分解吸収して栄養源にする。
温度 5~35℃の範囲で発育するが、20~30℃が最も増殖しやすい温度となる。
湿度 湿度が60%を超えると発生しやすくなり、80%を超えるとあっという間に増殖する。酸素:少しの酸素で生育できる。
酸素 少しの酸素で生育できる。- エアコン・加湿器・洗濯槽をまめに掃除しましょう。
- 浴室・台所などの水周りは特に掃除をまめに行ないましょう。
という内容でした。
ご参加頂きました皆様、ありがとうございました。
次回は、9月25日(火)に「超音波検査について」お話を予定しております。
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