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病院のブログ

「お薬で認知機能にも影響が?!」
(薬と健康のはなし)

薬剤性の認知機能障害

お薬によって一過性の認知機能障害、すなわちせん妄のような症状が副作用として現れる場合があります。

せん妄とは?
数時間~数週間の一過性に表れる意識神経障害です。症状は、妄想や幻覚・幻聴、突然暴れ出したり、話のつじつまが合わない、攻撃的になるなどが挙げられます。

せん妄リスクを上げるお薬の例

●睡眠薬
睡眠薬の中には、GABAという伝達物質を増やし眠りへ導くお薬があります。眠りを助ける働きの他に不安を和らげる作用や筋肉の緊張をほぐす作用などを併せもち、その結果注意力や記憶力の低下、転倒のリクスを上げてしまう場合があります。

●抗コリン作用を持つお薬
・抗アレルギー薬 ・痛み止め ・吐き気止め
・気管支拡張薬 ・抗不整脈薬 ・降圧剤
・抗精神薬 ・パーキンソン治療薬
・副腎皮質ステロイド ・胃、十二指腸潰瘍治療薬
・市販で購入できる一般用医薬品など
抗コリン作用とは、アセチルコリンという神経と神経の橋渡しをする物質の働きを抑える作用です。脳でも働いているアセチルコリンは記憶や注意、集中に関係していると考えられています。そのため、抗コリン作用によって脳の活動が落ちてしまい認知機能に影響がでる場合があります。

せん妄リスク対策
注意したいお薬の重複、飲み合わせ

重複して処方されやすいお薬

・胃薬 ・便秘薬 ・鎮痛薬 ・睡眠薬など
単剤でもせん妄リスクを上げるお薬がありますね。

薬の重複で起こりやすい副作用

ふらつき、転倒、せん妄、食欲低下、便秘、排尿障害など

複数の医療機関を受診している場合、それぞれの先生からお薬が処方され、気づかぬうちにお薬が重複していたり、他科からの薬の副作用へ知らぬ間にお薬が増えている場合があります。

多すぎる薬の副作用を防ぐために
~ひとりひとりの心がけ~

複数の医療機関を受診している場合は、それぞれでどういう病気の治療をしているか、どういう薬を飲んでいるか、お伝えして頂くことが需要です。
そのツールのひとつとして一冊にまとめたお薬手帳を活用しましょう!

ご本人とご家族、医療従事者と共に安全かつ効果的にお薬と付き合っていきたいですね!

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