「花粉症のはなし」
(薬と健康のはなし)
2月~4月のピークが過ぎても5月は要チェック
季節を問わず、いつまでも花粉が飛散し、花粉の種類もかなり多いのが関東。春先にピークがくるスギやヒノキ科だけではなく、秋のブタクサ属をはじめ草の花粉時期も長いのです。症状を軽くするためにも、しっかり対策を取る事が大切です。
2~4月 スギ
4~5月 ヒノキ
6~8月 イネ科
8~10月 ブタクサ
※スギ・ヒノキは10月中旬ごろから少しずつ飛び始める
花粉症が飛び始める時期に早めに薬を飲み始めると重症化を防げます!
花粉症の症状が出始めた頃は、まだ鼻粘膜の炎症がそれほど進んでいません。そのため、この時期に治療を始めると重症化を防ぐことができます。症状が酷くなる前に治療を始めましょう。
いま花粉症でなくても、接する花粉の量が多いと花粉症を発症しやすくなります。
花粉症を防ぐためにもなるべく花粉と接しないことが重要です。
花粉症は治療と並行して花粉の曝露から身を守ることが大事!
玄関前で服についた花粉を払い落としてから室内に入る。うがいや洗顔で、花粉を洗い流すと効果的です。
できるだけツルツルとして凹凸のない素材の服を選ぶ。コートなど、一番上に着るものは特に注意が必要。
ドアやサッシをしっかりと閉めて外からの花粉の侵入を防ぐ。外から持ち込まれた花 粉を除去するためにも、こまめな掃除を心がけましょう。
布団は外に干さず、布団乾燥機などを使うようにしましょう。どうしても干したい場合は、花粉の飛散量の少ない午前中に。
早寝早起きをする、バランスのとれた食事をとる、適度な運動をするなどして、体調を整えましょう。
マスク(吸い込む花粉を1/3~1/6へ減らせる)、眼鏡、うがい、洗顔、帽子などで防ぎましょう
症状を和らげる方法
飲み薬、点眼薬、点鼻薬
くしゃみ、鼻汁
- 抗ヒスタミン薬 ※ケミカルメディエーターが神経や血管に作用するのを防ぐ
- ケミカルメディエーター遊離抑制薬 ケミカルメディエーターが細胞から放出されるのを防ぐ
鼻づまり
- 抗ロイコトリエン薬 ケミカルメディエーターが神経や血管に作用するのを防ぐ
- 鼻噴霧用ステロイド薬
- 抗ヒスタミン薬・血管収縮配合剤
※ケミカルメディエーター
アレルゲンが体内に侵入してきたことを知らせる信号として体内に放出する物質を総称してケミカルメディエーターといいます。ヒスタミン、ロイコトリエン、セロトニンなど、アレルギー症状の原因となる物質のことです。
注射薬
ゾレア皮下注(オマリズマブ)
今年から使えるようになりました。
既存治療で効果不十分な重症な場合に使われる注射薬で、抗ヒスタミン薬を飲みながら使います。血液検査などを行い、基準を満たすと医師が判断した場合に使えます。
減感作療法(皮下免疫療法、舌下免疫療法)
花粉症の原因になるアレルゲンを注射または舌下に投与し少量ずつ体内へ入れる方法で、体をアレルゲンに慣らすことで症状を和らげます。
通常の飲み薬と違って根本的に体質改善(完全に治るもしくは、症状が落ち着いて安定する)をする治療法です。
治療開始時期は、花粉が飛散していない時期からで、即効性はなく、治療を年単位で継続する必要があります。現在、減感作療法を行える花粉症はスギ花粉のみです。
分からないことは、医師や薬剤師にご相談ください
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