「重篤な副作用 横紋筋融解症」
(薬と健康のはなし)
重篤な副作用は必ずしも起こるものではありませんが、気づかずに放置していると重症化して健康に影響を及ぼすことがあるものです。
今回は重篤な副作用のひとつである”横紋筋融解症”についてお話しします。
横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)とは…
薬の副作用などによって骨格筋の細胞が融解・壊死することで血液中に大量の筋肉の成分(ミオグロビン)が流れ出る病態を横紋筋融解症と言います。血液中に流れ出たミオグロビンによって腎臓がダメージを受けた結果、急性腎不全を引き起こすことがあり、まれに呼吸筋がダメージを受けて呼吸困難になる場合もあります。
また、薬の副作用以外でも夏には脱水や熱中症によってあらわれることもあります。
症状:筋肉痛、手足のしびれ、全身がだるい、手足に力が入らない、赤褐色の尿
早期発見・早期対応が重要です!
お薬を飲んでいて、このような症状に気付いた場合は放置せず、速やかに医師・薬剤師にご相談ください。
早期発見・早期対応が重要です!
お薬を飲んでいて、このような症状に気付いた場合は放置せず、速やかに医師・薬剤師にご相談ください。
横紋筋 融解症を起こす可能性のある薬
発症時期 | お薬の成分名 | |
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高脂血症薬 | 数か月目から徐々に | 〇〇スタチン、〇〇フィブラート |
抗菌薬 | 数日以内 | レボフロキサシン、クラリスロマイシンなど |
抗精神病薬 | – | ハロペリドール、オランザピン、 エチゾラム、リスペリドンなど |
その他 | – | シクロスポリン、オメプラゾール、 コルヒチンなど |
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参考文献:厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル