どんな運動をすればいいの?
前回は、運動をすることが体にどのような影響をおよぼすかについての研究をご紹介しました。
リハビリテーションでは「適切な運動を行うこと=治療(運動療法)」と考えます。
今回は具体的にどのような運動をすればよいのかについてご紹介します。
まず運動療法を行うにあたっては、以下の4点が大切です。
- 1週間における頻度:週3~5回
- 運動の強度(強さ)
:歩行は自分が続けられるペース
慣れてきた人は「ややきつい」くらいの息切れを感じる程度 - 運動の種類:歩行など下肢筋群の運動が重要
- 実施する時間:原則15~20分以上
どんな運動でも効果が現れるには時間がかかります。
運動の効果が現れるには4~6週間が必要です。
但し、運動はやめてしまうとその効果は失われてしまいます。
そのため、自分が継続しやすい運動を選んで継続することが大切です。
自宅で手軽にできる運動療法は大きく分けて
〇筋力トレーニング
●全身持久力トレーニング
●全身持久力トレーニング
この2つに分けられます。
以下に示すのは一例ですが、ご自分の運動習慣の状況に合わせて、運動内容を選ぶようにしましょう。
コロナ禍であまり外出しなくなっている方、体力に自信のない方
〇筋力トレーニング 左右20回 2セット
- 寝た姿勢で500mLのペットボトルを片手にもって上げ下ろし
- 椅子に座ったまま片方の膝を伸ばして戻す運動
●持久力トレーニング
- 家の廊下や周りをゆっくり歩く 5分程度
運動が習慣的に行えるようになってきた方
〇筋力トレーニング 各3セット
- 座って500mLのペットボトルを片手にもって上げ下ろし 左右20回
- ゆっくりと椅子からの立ち座り 10回
●持久力トレーニング ややきついくらいの速さ
- 家の周りをウォーキング 目安:15~20分
※歩いている途中で休憩を入れても大丈夫です。
他にもたくさん運動のやり方はありますので、ご自身ですでに実施されている運動がある場合にはその運動を継続してみましょう。
リハビリテーション科では、患者さん個人に合った呼吸法や運動の指導を実施しています。
現状、コロナ禍でリハビリテーションの対象患者さんが制限されていますが、当院通院中でリハビリテーションを希望される方は主治医にご相談ください。
※呼吸器の病気をもった患者さんの中には、運動中に酸素不足になってしまう方や、頑張り過ぎると心臓などに過度の負担がかかってしまう方もいます。運動開始に際して、主治医やリハビリスタッフに相談するようにしてください。