【実践編】呼吸リハビリテーションとは何だろう?
前回の記事では呼吸リハビリテーションの概要をお伝えしました。
今回は呼吸リハビリテーションで実施していることをお伝えします。
リハビリテーションにどんな印象をお持ちですか?
- 平行棒で歩く
- おもりを使った運動
- マシンでの運動(ルームランナーや自転車)
など、運動をするイメージをされる方が多いと思います。
では、呼吸リハビリテーションにはどんなイメージをお持ちでしょうか?
「なにか呼吸の練習をするの?」
でも、何をするのかわからない…
という方も多いのではないでしょうか。
今回、呼吸リハビリテーションではどんなことをしているのかを簡単にお伝えします。
複十字病院のリハビリテーション科の診療体制はこちらを御覧ください。
呼吸リハビリテーションは、主に以下の3つから構成されます。
②日常生活動作訓練
③運動療法 筋力トレーニングや全身持久力トレーニング
今回は、それぞれの内容を簡単にお伝えします。
コンディショニング
コンディショニングは、「運動を効率的に、効果的に行うための準備」のような位置づけです。
実施する内容としては、呼吸練習やストレッチ、排痰法などです。
特に、運動したくても呼吸が苦しくなってできない方や、運動すると痰が出てしまう人はコンディショニングを重点的に行うことが重要になります。
日常生活動作訓練
日常生活で苦しくなりやすい動作について、少しでも楽に体を動かすことができるように練習を行います。日常生活において必要な筋力トレーニングや、苦しくならないための動作と呼吸の合わせ方、環境調整の提案などを行います。
運動療法
- 筋力トレーニング
- 全身持久力トレーニング
筋力トレーニング
筋力トレーニングは、筋力を改善し筋量を増大させることを目的に行います。特に呼吸リハビリテーションでは、酸素をしっかりと筋肉に取り込み、体を動かすエネルギーを作り出すことができる質の良い筋肉に変えるという意識を持ってトレーニングを行います。
上肢、体幹、下肢いずれも大切ですが、歩行に関わる下肢の筋力トレーニングが特に重要です。
全身持久力トレーニング
体力をつけるためのトレーニングです。歩くことが最も簡単にできる運動となります。リハビリテーションでは、マシン(ルームランナーや自転車)を使った運動を実施することもありますが、歩くことも立派なトレーニングです。運動を始めてみたい方はまずウォーキングから始めてみましょう。
まとめ
今回は、呼吸リハビリテーションでどんなことを実施しているのかお伝えしました。
呼吸リハビリテーションのイメージを少しでも持っていただけたでしょうか?
早速、運動をはじめて見ようかなと思った方はこちら、運動の効果を知りたい方はこちらを御覧ください。
※呼吸リハビリテーションを実施する際には主治医の処方が必要になります。まずは、呼吸リハビリテーションの適用があるか、標準的な治療が行われているか、実施を妨げるような他の病気がないかなどを主治医に診てもらう必要があります。希望される方は、主治医にご相談ください。
(2022年11月現在、新型コロナウイルスの影響により外来リハビリテーションの実施には制限があります。)
参考資料
1)呼吸リハビリテーションに関するステートメント、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌、2018年、第27巻、第2号、95-114
2)呼吸リハビリテーションマニュアル-運動療法-第2版、2012年