お問い合わせ
電話番号
メニュー
病院のブログ

気管支喘息を悪化させないために、あなたができる4つのポイント 市民健向講座 2022年度

テーマ:気管支喘息を悪化させないために、あなたができる4つのポイント
講師:公益財団法人結核予防会 複十字病院 副院長 呼吸器内科 早乙女幹朗

気管支喘息を悪化させないためには、

①医師の指示通り、薬をきちんと使用しましょう。(吸入・内服・貼付その他)
②吸入手技(吸入のやりかた)は大丈夫?
③ダニ・カビ・ホコリなどのアレルゲンを避けましょう。
④喘息の悪化因子に注意。

の4つのポイントに気をつけて!


医師の指示通り、薬をきちんと使用しましょう。(吸入・内服・貼付その他)

 
気管支喘息をきちんと治療しないと…
〇 気道炎症(主としてアレルギーによるもの)が治らず、喘息発作を繰り返してしまいます。
〇 何年も気道炎症が続くと、元へは戻らない気管支壁の肥厚が起き、気管支が狭くなる「リモデリング」を起こしてしまいます。
〇 「喘息症状ゼロ」を目指して医師の指示通りに治療を続けましょう。
 

 
 

医師の指示通り、薬をきちんと使用しましょう。(吸入・内服・貼付その他)

 

この薬、逆さまに持つとどうなるの?

ガスだけが出て、薬剤が出ないうちに
ガスがなくなって、何も出なくなります。

 
*吸入薬はすべて、「正しく使う」ことが重要です。
手技に自信がないときは、医師や薬剤師に「吸入指導」をしてもらいましょう!
 
 

ダニ・カビ・ホコリなどのアレルゲンを避けましょう。

 

 
 
日常の掃除と、アレルゲン吸入予防について
 

 
 
 
 部屋の掃除をする時は換気を。
  • 掃除機の排気で部屋のホコリを巻き上げない。
  • 掃除機にたまったゴミは、まめに捨てること。
  • エアコンのフィルターや内部は定期的に清掃を。
  • 加湿器を使用する場合は、水タンクや水の通り道にカビなどが繁殖しないよう、かならず定期的に清掃を。
    超音波式の加湿器は、内部にカビが発生しやすいのが欠点。
    → 「加湿器肺」というアレルギー疾患の原因にもなる。
  • 北側の部屋の窓や壁面の結露に注意。カビの温床になりやすい。

 

 
 
 
 カーペットはなるべく使わない。
 布製ソファは避ける。
 照明は天井据え付けが良い。

 
 
喘息とペットについて
 

 

  • 毛のあるペットは、なるべく室内で飼わない。
  • 最低限のルールとして、寝室には入れない。
  • フケが部屋に落ちないよう、ペットは清潔に

 

 

  • 動物の毛やフケ、とくにネコや齧歯類(ウサギ・ハムスターなど)
    → アレルギーの原因!
  • ネコの唾液成分のアレルギー
  • 家の中に動物がいるとダニが繁殖しやすい
    → ハウスダストアレルギーの悪化!

 

喘息の悪化因子に注意。

 

 
 
運動誘発喘息への対応
 

  • 運動したときに起こる喘息発作 : 「運動誘発ぜん息」
  • 喘息だからといって、必要以上に運動を制限する必要はありません。
  • ふだんから治療を継続して、喘息をうまくコントロールしておくことが、運動誘発ぜん息を起こさないためのポイントです。
  • 歩行や水泳では起こりにくく、ランニングでもっとも起こりやすいといわれています。
  • オリンピック選手の約13%が「アスリート喘息」です(バンクーバー冬季大会の日本選手調査)。 激しい運動に伴い、肺の中に乾燥した冷たい空気が急激に大量に入り込むことで喘息を起こしやすくなります。
  • 運動前に「短時間作用型β刺激薬」を使用する方法も発作の予防に有効です。
  • 小麦やエビを食べたあとに運動すると発作が起きる方もいます。
    → このような体質の場合には、運動会のお弁当には「サンドイッチ」や「エビフライ」などを避けてください。 おにぎり、米粉の唐揚げ、コーンフレーク衣のフライなら大丈夫。

 
アスピリン喘息について

  • アスピリンなどの「解熱鎮痛薬」に対する過敏症。
  • 薬剤の内服・坐薬・静脈注射などにより喘息発作を起こしてしまう方がいます。
  • 成人喘息の方の5~10%といわれています。(残りの約90%の方は大丈夫。)
  • 血液検査などではこの過敏症を診断できず、実際に使用してみて初めて判ります。
  • 鼻茸(鼻ポリープ)がある方は要注意。
  • 「ジクロフェナク」「ロキソプロフェン」「イブプロフェン」など「酸性解熱鎮痛薬」に共通して過敏なケースが多く、解熱鎮痛薬のなかでは「アセトアミノフェン」「チアラミド」「セレコキシブ」が比較的安全です。
  • 合成着色料、とくにタートラジン(黄色4号)にも反応する方がいるので、要注意。

    <ゼリー、シロップ、キャンディーなどに含有>

 
 
呼吸器内科 はこちら
アレルギー科 はこちら
アレルギー疾患(気管支喘息を中心として) はこちら
喘息外来 はこちら