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リハビリテーション科

呼吸ケアリハビリセンターの紹介

複十字病院の母体である結核予防会は,日本で最も早く呼吸リハビリテーション(以下、呼吸リハ)に取り組んだ組織です。島尾忠男結核予防会顧問が、スウェーデン結核予防会から出版された“Sjukgymnastik vid lungtuberkulos”というタイトルの手引書を翻訳し、「肺結核の際の肺機能訓練療法」を邦題とする本として1959年に結核予防会から刊行しました。この年、わが国にはじめて呼吸理学療法という概念が紹介されたのです。そして複十字病院をはじめ結核予防会の医療施設において肺結核に対する外科手術の前後で理学療法が行われるようになりました。その成果は、「再起への道:肺機能訓練療法」というタイトルの16ミリ映画で残されています。
このように当院の呼吸リハの歴史は古く、2009年6月には呼吸リハを専門に行う部署として呼吸ケアリハビリセンターが設立され現在に至っています。

当センターにはリハビリテーション科と呼吸ケア診療科の2科があります。リハビリテーション科では入院と外来の呼吸リハを行っています。呼吸ケア診療科が担当している「息切れ外来」ではCOPDを中心とした慢性呼吸器疾患患者の在宅管理に関する指導・教育を行い、リハビリテーション科に呼吸リハを依頼しています。

呼吸リハビリテーション

呼吸リハビリテーションとは、呼吸器に障害が生じた患者さんに対して、可能な限り機能を回復し、あるいは維持することによって、症状を改善し、患者さん自身が自立した日常や社会生活を送れるように継続的に支援する医療です。したがって呼吸リハビリテーションは、自分自身の病気を良く理解し、病気と伴に仲良く暮らす方法を身につけることが目的です。

当院は、慢性閉塞性疾患(COPD)、間質性肺炎、気管支拡張症(肺MAC症を含む)、肺結核、肺癌、胸部外科、消化器外科、乳がんなどの術前術後の呼吸リハビリテーションを行っています。中でも、肺MAC症(気管支拡張症を含む)に対する呼吸リハビリテーションでは日本でトップクラスの症例数を誇ります。

多くの患者さんから「こんなに息切れが楽になるとは思わなかった」「この病院に出会えて私はラッキーでした」「もっと早く知りたかった」など多くのご意見を頂いています。

疾患別呼吸リハビリテーション

当院では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患(IP)、気管支拡張症、非結核性抗酸菌症(肺MAC症)、結核・結核後遺症など患者さんの症状に応じた疾患別呼吸リハビリテーションを行っています。

その方法は、コンディショニング(呼吸訓練、排痰法、リラクセーションなど)、日常生活活動訓練および運動療法です。この方法をそれぞれの疾患の症状や重症度、患者さんの希望に応じて細かく適応しています。例えば料理で例えると、同じ「お米」でも調理方法で和食、洋食、中華料理でその形や味が変わるように、コンディショニング、日常生活活動訓練および運動療法をそれぞれの患者さんの病態に合わせ、最も有効なプログラムで治療しています。

入院、外来別のリハビリテーション

患者さんの病態に合わせて、入院や外来でのリハビリテーションを実施しています。入院治療が必要な患者さんには、週5回、外来治療が必要な患者さんには、週2回、週1回、2週1回、月1回へと病状に応じた頻度で行っています。
 
呼吸ケアリハビリセンター(リハビリテーション科)

診療実績

2021年度 2022年度 2023年度
リハビリテーション実施総単位 39,937(1,214) 36,186(803) 38,883(3,259)
理学療法実施人数 1,694(81) 2,302(102) 3,663(712)
言語聴覚療法実施人数 170(0) 266(0) 620(0)
リハビリ実施計画書件数 2,083 1,846 2,535

※()内の数値は、総数のうちの外来実績