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呼吸器外科

患者さんへ


当科は結核療養所の呼吸器外科部門として誕生し70年近い呼吸器外科診療の歴史を有します。開設当初は肺結核に対する外科治療を中心に診療を行っていましたが、その後の肺結核の減少と肺癌の増加を受けて肺癌の外科治療へと重点を移してきました。肺癌の手術件数は現在関東地区有数となっています。肺癌の他に呼吸器外科疾患全般に対する手術も行っており縦隔腫瘍、気胸の手術や昔からの伝統であるいわゆる炎症性疾患(肺結核、肺非結核性抗酸菌症、肺真菌症、膿胸)に対する外科治療も行っています。炎症性疾患の手術は癒着剥離などに高度な技術が要求され、これらの手術で培われた技術を肺癌手術にも活かしています。呼吸器外科専門医合同委員会の基幹施設で5名の呼吸器外科専門医が専任で診療にあたっており、呼吸器内科との連携のもと肺癌を含めた呼吸器疾患の診断から治療までを一貫した形で行っています。セカンドオピニオンも受け付けています。

医療機関の皆様へ

当科は結核療養所の呼吸器外科部門として誕生し70年近い呼吸器外科診療の歴史を有します。開設当初は肺結核に対する外科治療を中心に診療を行っていましたが、その後の肺結核の減少と肺癌の増加を受けて肺癌の外科治療へと重点を移してきました。肺癌の手術件数は現在関東地区有数となっています。肺癌の他に呼吸器外科疾患全般に対する手術も行っており縦隔腫瘍、気胸の手術や昔からの伝統であるいわゆる炎症性疾患(肺結核、肺非結核性抗酸菌症、肺真菌症、膿胸)に対する外科治療も行っています。炎症性疾患の手術は癒着剥離などに高度な技術が要求され、これらの手術で培われた技術を肺癌手術にも活かしています。呼吸器外科専門医合同委員会の基幹施設で5名の呼吸器外科専門医が専任で診療にあたっており、呼吸器内科との連携のもと肺癌を含めた呼吸器疾患の診断から治療までを一貫した形で行っています。セカンドオピニオンも受け付けています。

肺癌

年間の呼吸器外科手術件数約200例のうち肺癌手術件数は80〜100例を占めます。1998年に現センター長の白石が旧国立療養所東京病院より赴任してから胸腔鏡下手術を積極的に行うようになり、現在は臨床病期Ⅰ期の肺癌では6〜8cmの補助開胸創を加えた胸腔鏡下手術を行い、臨床病期Ⅱ期以上の肺癌でも胸腔鏡を併用して可能な限り小さな傷で手術を行うようにしています。手術中の出血も極力抑えるようにしており、術中出血量は200ml未満で輸血を必要とすることはほとんどありません。傷の痛みも少なく患者さんは手術翌日から歩行が可能です。術後入院期間も8〜10日です。

肺癌の肺切除についてはクリニカルパスを導入し患者さんに入院から手術そして退院までの治療計画を分かりやすく説明しています。肺癌は手術後も最低5年間は厳重に経過観察する必要があり、手術後の経過観察も地域連携クリニカルパスを導入してかかりつけ医と当科との共同で行っています。病理病期ⅠB期以上の患者さんに対しては肺癌診療ガイドラインの推奨にのっとり術後補助化学療法を行うようにしています。万一再発した場合には病状に応じて化学療法・放射線療法・支援療法等を行い、クオリティオブライフを保ちつつ延命がはかれるように努めています。

炎症性疾患

当科のもう一つの特色は炎症性疾患(肺結核、肺非結核性抗酸菌症、肺真菌症、膿胸)に対する手術を行っていることです。結核が国民病であった時代と比べ現在では炎症性疾患の手術に精通している呼吸器外科医は少なく当院の存在は貴重なものとなっています。そのため全国から治療に難渋している患者さんが紹介されてきています。当科の炎症性疾患に対する治療成績は海外でも高く評価されており、その成績をまとめた論文はJournal of Thoracic and Cardiovascular Surgery、Annals of Thoracic Surgery、European Journal of Cardio-Thoracic Surgeryといった欧米の胸部外科学会誌に掲載されています。さらに米国胸部疾患学会(ATS)が2007年に発表した非結核性抗酸菌症のガイドライン(An Official ATS/IDSA Statement: Diagnosis, Treatment, and Prevention of Nontuberculous Mycobacterial Diseases)に当科の論文が引用されました。米国学会のガイドラインに日本の論文が引用されることは稀でありそれだけ当院の成績が評価されたことの証といえます。

医師紹介

所属氏名
呼吸器センター長
白石 裕治(しらいし ゆうじ)
卒業年次
東北大学医学部 昭和59年卒
専門分野
呼吸器外科(肺がん・感染症の外科治療)
資格・学会
日本外科学会 指導医・専門医
日本呼吸器外科学会 指導医・専門医
日本胸部外科学会 指導医
日本結核・非結核性抗酸菌症学会 指導医・理事・代議員
日本呼吸器学会 指導医・専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡指導医・専門医
肺がんCT検診認定機構 肺がんCT検診認定医師
米国胸部外科学会(STS) 会員
米国医師免許試験(USMLE) 合格
ECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)
BEST DOCTORS IN JAPAN 認定
ドクターオブドクターズネットワーク 優秀専門臨床医
東北大学医学部 臨床教授
長崎大学連携大学院 臨床抗酸菌症学講座 教授
獨協医科大学 特任教授
所属氏名
呼吸器センター 副センター長
平松 美也子(ひらまつ みやこ)
卒業年次
東京慈恵会医科大学医学部 平成12年卒
専門分野
呼吸器外科(肺がん・非結核性抗酸菌症)
資格・学会
日本外科学会 指導医・専門医
日本呼吸器外科学会 専門医・評議員
日本呼吸器内視鏡学会 専門医
日本結核・非結核性抗酸菌症学会 認定医
日本がん治療認定医機構 認定医
ICD制度協議会 インフェクションコントロールドクター
埼玉医科大学国際医療センター 非常勤講師
所属氏名
主任
下田 清美(しもだ きよみ)
卒業年次
滋賀医科大学医学部 平成13年卒
専門分野
呼吸器外科(緩和ケア)
資格・学会
日本外科学会 専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡指導医・専門医
日本呼吸器外科学会 専門医、胸腔鏡安全技術認定

所属氏名
主任
川上 徹(かわかみ とおる)
卒業年次
東北大学医学部  平成21年卒
専門分野
呼吸器外科
資格・学会
日本外科学会 専門医
日本呼吸器外科学会 専門医
肺がんCT健診認定機構 認定医
日本呼吸器内視鏡学会 専門医
所属氏名
主任
名波 勇人(ななみ はやと)
卒業年次
浜松医科大学医学部  平成28年卒
専門分野
呼吸器外科
資格・学会
日本外科学会 専門医
所属氏名
顧問
荒井 他嘉司(あらい たかし)
卒業年次
東北大学医学部 昭和36年卒
専門分野
呼吸器外科
資格・学会
日本外科学会 指導医・専門医
日本呼吸器外科学会 指導医
日本呼吸器学会 指導医・専門医
肺がんCT検診認定機構 肺がんCT検診認定医
日本結核・非結核性抗酸菌症学会 指導医

手術実績

2021年度 2022年度 2023年度
原発性肺癌 92 95 100
転移性肺腫瘍 6 4 9
肺良性腫瘍 3 1 1
肺結核 3 0 0
肺非結核性抗酸菌症 34 37 35
肺真菌症 7 3 12
膿胸 23 20 24
気管支拡張症 2 3 1
気胸 20 34 26
縦隔腫瘍 10 10 8
その他 31 32 25
総数 231 239 241
胸腔鏡下手術 167 175 195
全麻下気管支塞栓術 10 15 7

呼吸ケアリハビリセンター(リハビリテーション科)