喘息外来
気管支喘息の治療については、近年吸入ステロイドを中心とする薬物療法が長足の進歩を遂げたおかげで病勢をコントロールすることが容易となってきており、喘息死亡数は年々減少しています。喘息は的確に対処すればそれほど恐ろしい病気ではなくなってきたと言えますが、喘息の診断や治療には注意すべき点がいくつかあります。
喘息と紛らわしい疾患
喉頭疾患、心不全、気管の腫瘍や異物・感染症など、薬剤性(アンジオテンシン変換酵素阻害剤など)の咳。
*喘息として治療し、吸入もきちんとできているのに2週間経っても症状が改善しないときは、かかりつけ医の先生から専門医へご紹介いただいての精査をお薦めします。
喘息の治療薬とコントロール目標
喘息の治療は基本的に、まずは症状ゼロを目指します。
吸入ステロイド;ICSと長時間作用性β刺激薬;LABAを処方し、症状に応じてロイコトリエン受容体拮抗薬や抗アレルギー薬、長時間作用型抗コリン剤、テオフィリン製剤などを追加します。その後は薬剤の作用や副作用状況を勘案しながら処方を調整していきます。症状ゼロで2~3ヶ月経過したら薬の減量を検討できる状態となります。喘息コントロール状態の評価には喘息発作を起こして短時間作用性β刺激薬;SABA(プロカテロール、サルブタモールなど)を1週間に1回以上使う方は、コントロール不良です。SABAは1缶で100または200吸入できるので、1年以内に再処方が必要になる場合にはコントロール不良の可能性が高いと考えられます。
また、気管支拡張薬を含む吸入薬を吸ったときに「あ~、楽になった」とすぐに感じるようなら、その時に気道収縮が起きていた、つまり喘息症状が出ていた可能性が高いですから、処方の再検討が必要な場合もあります。
もし、上記処方に加えて経口副腎皮質ステロイド剤や頻回のSABA吸入が必要な場合には、生物学的製剤の投与も検討する必要がありますので、専門医受診をお薦めします。
吸入薬の吸入手技については定期的なチェックが必要で、とくに喘息が悪化している時には「正しく吸えているのか」を再確認する必要があります。正しい吸入手技の啓発については、複十字病院は西武薬剤師会(北多摩北部5市)の調剤薬局などと連携して「きよせ吸入療法研究会」の運営に携わっています。
吸入ステロイド剤による嗄声や口腔カンジダ症については、食事の前に吸入してすぐにうがいをおこなっていただき、その後の食事で口腔内を洗い流すことでかなりコントロールできますが、それでも良くならない場合には、吸入薬にスペーサーを取り付けて吸入する方法も選択肢のひとつです。
もちろん、重症喘息発作が起きているのであればすぐに専門医療機関への受診が必要です。複十字病院は気管支喘息発作に24時間救急対応しています。
診察日について
喘息外来診察体制(要予約となります。)
※気管支喘息の診察については、「喘息外来」以外に「呼吸器内科外来」でも行っています。
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | |
---|---|---|---|---|---|---|
午前 | 森本 ※第1.3.5週 大津 |
奥村 ※第1.3週 國東 |
田中 ※第1.3週 吉山 高柳 |
藤田 ※第1.3.5週 下田 |
内山 ※第1.3.5週 早乙女 |
吉山・國東 ※第1週 早乙女・奥村 斉藤・上山 内山・田中 |
午後 | – | – | – | – | – | – |