睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来
(2024.10月改訂)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来について
当院では、2021年1月に「睡眠時無呼吸症候群治療センター」を開設いたしました。
当センターは、日本睡眠学会指導医を中心に、睡眠時無呼吸の診断、治療を行っております。2024年7月日本睡眠学会専門医療機関に認定されました。(東京都-19施設)。
いびき、日中の眠気等の症状が気になる方は、SAS治療センターをご受診ください。
日本睡眠学会 https://jssr.jp/list
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | |
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午前 | 上山 | 木村・上山 | – | 木村 | 國東 |
午後 | – | 國東 | – | – | 木村 |
- 外来受診予約
紹介状あり:042-491-9128(地域医療連携室)
紹介状なし:042-491-6228(外来予約センター) - 紹介状をお持ちでない初診の方は、特定初診料7,700円(税込み)が必要となります。
- 英語での診療も行っております。お気軽にお問い合わせください。
睡眠時無呼吸症候群:Sleep Apnea Syndrome : SAS(サス)とは?
①睡眠時無呼吸症は、喉の奥(咽頭)が狭くなり、睡眠中の呼吸停止と覚醒を繰り返す病気です。覚醒と浅い眠りが多くなり(睡眠の質の低下)、血中酸素濃度の低下を伴います。主な症状は、いびき、起床時倦怠感や頭痛、日中の眠気等であり、高血圧や糖尿病を合併することがあります。
・ 咽頭の閉塞には、以下の理由が考えられます。
➡ 鼻腔や咽頭、顎の形態。
➡ 体重増加により、首回りや咽頭に脂肪が沈着する。
・ SASは、居眠りによる、新幹線・バス等交通事故の原因として広く知られるようになりました。日中の眠気、集中力の低下は、日中の作業へ影響を及ぼすことがあり、労働災害に関連すると考えられています。
中等症以上の睡眠時無呼吸症候群の患者は、国内で900万人以上と考えられています。
②以下の症状のある方は、睡眠時無呼吸症の疑いがあります。
・睡眠中の頻回のいびき。
・家族から、睡眠中に呼吸が止まっていると言われる。
・起床時に、頭痛や倦怠感がある。
・昼間の会議や運転中に抑えられない眠気、居眠りがある。
・夜間の頻尿がある。
・体重が増加傾向である。
・生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常)で治療を受けている。
③睡眠時無呼吸症は、大きく分けて2種類あります。
・閉塞性睡眠時無呼吸
➡ 患者の9割以上を占める、主に咽頭の閉塞によるもの。
・中枢性睡眠時無呼吸
➡ 多くの場合、心不全/不整脈/脳梗塞などの循環器、神経疾患を伴う。
④睡眠時無呼吸症は、咽頭の閉塞による酸素濃度低下に伴い、交感神経系の活性化、炎症反応の亢進を生じます。これらは、全身性疾患(高血圧、糖尿病、脂質異常)を伴いやすく、脳卒中、心筋梗塞等の重篤な疾患の発症率を高めると考えられています。
睡眠時無呼吸に伴う病気を早期に発見し、治療していくことは大変重要です。
当科では、専門科の診断・治療が必要な場合に、院内循環器内科や糖尿病内科、その他専門医療機関へのご紹介を行っております。
睡眠時無呼吸症候群:SASの診断検査について
① 簡易検査(スクリーニング検査)
➡ 小型の検査機器を自宅へ持ち帰り、一晩の検査を行います。
鼻の入口と指先にモニターを付けて、酸素濃度等の簡易な判定を行います。
(検査機器は、検査翌日の午前中に返却いただきます。)
検査費用(保険診療3割負担の場合):約3,500円。
② ポリソムノグラフィー検査(Polysomnography: PSG【ピーエスジー】)
➡ 1泊入院で、PSG検査(脳波、酸素濃度、心電図、体位、筋電図などのモニター装着)を行います。
こちらがSASの確定診断検査であり、無呼吸のタイプや重症度を確認します。
翌朝は、起床後に検査が終了し、当日出勤することが可能です。
検査費用(保険診療3割負担の場合):約35,000円。
・その他の検査
胸部レントゲン、心電図、肥満や生活習慣病、甲状腺機能等に関する必要な検査。
睡眠時無呼吸症候群の治療について
①減量療法
肥満は、SASの主な原因であるため、適切なBMI(体重㎏/身長m2)を維持するために運動療法、食事療法での減量が必要となります。
当院では、管理栄養士による栄養指導や、関連する診療科(糖尿病内分泌科、循環器内科)を受診することが可能です。
②CPAP(continuous positive airway pressure)治療
睡眠時の気道閉塞を防ぐ目的で、鼻マスク(CPAP:持続陽圧呼吸)を装着し、気道に空気を送ります。中等症以上の方は保険診療が適応され、月に一度の通院が必要となります。
機器費用(保険診療3割負担の場合):約4,000円/月。
無呼吸なおそう.com(帝人) https://659naoso.com/
無呼吸ラボ(フィリップスジャパン)https://mukokyu-lab.jp/
③マウスピース
口腔内装置(マウスピース)は、いびきの改善や軽症SASの治療法の一つです。
下顎を上顎よりも前方に出すように固定させることで上気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぎます。当院歯科にて、マウスピース作成が可能です。
④舌下神経刺激療法
舌下神経刺激療法は、2021年に日本で保険診療が認められた、新しい治療法です。
右前胸部皮下に埋め込まれたパルスジェネレーターから、刺激リードを通じて舌下神経に電気刺激を与え、上気道開大筋であるオトガイ舌筋を収縮させて気道虚脱を防ぎます。 CPAPを使用できない方が対象となるため、ご相談の上、専門医療機関へ紹介させていただきます。
Inspire社 https://www.inspiresleep.jp/
⑤ 耳鼻科治療
鼻閉症状(鼻づまり)の強い方は、CPAP治療がうまく継続できない原因となります。
鼻閉、扁桃の肥大、咽頭狭窄が強い方は、耳鼻科での診断や治療が先に必要な場合があるため、大学病院等の耳鼻科へご紹介させていただくことがあります。