臨床検査部
患者の皆さまへ
臨床検査部は、採血室、検体検査室、生理機能検査室、細菌検査室の4部門から構成されています。主な役割は、医師が初診患者さんに対し、問診や身体診察などである疾患を疑った場合に、その疾患の確定、進行具合の把握、他疾患の除外などを考える上で極めて重要な臨床検査情報を迅速・正確に提供することです。継続的に通院されている外来・入院患者さんに関しては、医師が患者さんの診療を始める前に情報提供できるように、可能な限り院内検査ができるような体制を整えています。毎年、日本医師会や日本臨床検査技師会などの外部精度管理の審査を受けることによって精度管理を良好に保っています。
採血室では、朝8時~夕方16時半まで、主に外来患者さんの採血、採尿を行っています。検体検査室や細菌検査室では、採血室や外来、入院病棟から届けられる検体を専門性の高い臨床検査技師が迅速かつ詳細に解析を行っています。特に、細菌検査室は市中病院としてはまれなバイオセーフテイ3レベルの部屋を備えていて、安全な検査を実施しています。
また、生理機能検査室では、体の構造や機能に関する様々な情報を調べるための生理機能検査として、各種の超音波(エコー)検査、血圧脈波検査、心電図、呼吸機能検査、PSG検査の他にヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)に感染しているかどうかを調べる尿素呼気試験なども行っています。
専門家・学生の皆さまへ
臨床検査部
臨床検査部は、採血室、検体検査室、生理機能検査室、細菌検査室から構成されていて、放射線診断部や病理診断部と同様に、診療上の必要な各種検査情報を迅速かつ正確に提供すべく運用しています。報告時間短縮のため可能な限り院内検査で対応できる項目を増やしています。
現在のスタッフは、総勢31名です。内訳は、常勤医師1名、常勤臨床検査技師25名(5名が病理診断科と併任)【認定資格保有者は、それぞれ、超音波検査士5名(腹部5名、表在5名、循環器2名、泌尿器2名 健診1名)、二級検査士5名(血液学3名、生化学1名、微生物学1名)、認定血液検査技師1名、認定臨床微生物検査技師1名、認定一般検査技師1名、緊急検査士1名】で、かつ非常勤職員4名(認定臨床検査専門医1名を含む)、事務員2名となっています。更に、臨床医師、医事課スタッフとともに運営している臨床検査委員会の管理下で、毎年、日本医師会や日本臨床臨床検査技師会等の外部精度管理の審査を受けて、精度管理の充実に取り組んでいます。
また、検査技師には、認定資格の取得だけではなく、学会への積極的な参加、研究発表、論文作成などを促し、自らのキャリアを向上させるように努めています。
検体検査室
検体検査室では、患者さんから採取した血液、尿、体腔液などの検体を様々な機器を使用して分析し、速やかに診療の現場に報告しています。また、輸血に関係するいろいろな検査も実施しています。機器やシステムは、何れも外部・内部精度管理を厳格に行い、日々正確な情報の提供に努めています。
採血室
採血室では、主に外来患者さんの採血や採尿を行っています。一般尿検査として、尿中の蛋白、糖、潜血を調べる定性検査のほか、顕微鏡による尿沈渣の検査(尿中の赤血球や上皮細胞などの存在の有無を確認する)を実施しています。また、便の潜血(便ヒトヘモグロビン)反応の検査もしています。
細菌検査室
細菌検査室では、結核菌のほか、肺炎球菌などの様々な肺炎起炎菌、食中毒の原因となる大腸菌O157やサルモネラ菌、冬季に流行し易いインフルエンザウイルス、いまだ収束が見えないコロナウイルスなどのいろいろな感染症の原因菌やウイルスの検出を行っています。
また、当院では、結核菌の安全な検査ができるようにバイオセーフティ3レベルの部屋を有しています。更に、適切な治療薬の選択ができるように、薬剤感受性試験を実施すると共に、院内感染制御のために薬剤耐性ブドウ球菌などの報告をこまめに行い、注意喚起をしています。
生理機能検査室
生理機能検査とは、体の構造や機能に関する様々な状態を調べるものです。痛みを伴わず(非侵襲的)に診断や治療に有用な多くの情報を得ることができます。特にこの分野の進歩は著しいため、講習や学会活動に積極的に参加して自己研鑽に努めています。
当院では、以下の生理機能検査を行っています。
心電図、ホルター心電図、呼吸機能検査、血圧脈波検査、PSG検査
超音波(エコー)検査(心臓、上下腹部、甲状腺、頸動脈、乳房、深部静脈、表在など)
ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)呼気検査